「シーシャって、たばこと何が違うの?」「加熱式たばこや電子たばこ(VAPE)とは別物?」。どれも「吸う」ものですが、仕組みや法律上の扱い、健康へのリスクの考え方は大きく異なります。
この記事では、シーシャ(水たばこ)と、紙巻きたばこ・加熱式たばこ・電子たばこの違いを、国税庁や厚生労働省、米国疾病予防管理センター(CDC)などの公的情報をもとに比較します。医療的な助言ではないため、健康に不安がある方は医師に相談してください。
ひと目でわかる比較表
| 紙巻きたばこ | 加熱式たばこ | 電子たばこ(VAPE) | シーシャ(水たばこ) | |
|---|---|---|---|---|
| 仕組み | たばこの葉を燃やす | たばこを燃やさずに加熱する | 香料などを含む液体を電気で加熱し、蒸気を吸う | 炭でたばこ(またはその代わりのもの)を熱し、煙を水にくぐらせて吸う |
| 熱源 | 火 | 電気 | 電気 | 炭 |
| ニコチン | 含む | 含む | 日本ではニコチン入りのリキッドの販売には許可が必要 | 含む(ノンニコチンのフレーバーを除く) |
仕組みの違い
紙巻きたばこ
たばこの葉を紙で巻き、火をつけて燃やした煙を吸うものです。
加熱式たばこ
たばこを燃やさずに、電気で加熱して成分を吸うものです。厚生労働省の e-ヘルスネットによると、200℃以上に加熱する高温加熱式と、30〜40℃程度の蒸気を利用する低温加熱式があり、日本では2016年から販売されています。
電子たばこ(VAPE)
e-ヘルスネットは、電子たばこを、香料などを含む溶液を電気的に加熱し、発生させたエアロゾル(蒸気)を吸入する製品と説明しています。たばこの葉を使わない点が、加熱式たばことの大きな違いです。
「電子シーシャ」と呼ばれる電子たばことシーシャ(水たばこ)の違いは「「電子シーシャ」とは?」で解説しています。
シーシャ(水たばこ)
国税庁は、水たばこを、たばこまたはたばこを含むものを燃焼または加熱し、水パイプを使ってたばこの成分を吸引するものと説明しています。熱源に炭を使い、煙を水にくぐらせてからホースで吸うのが特徴です。仕組みの詳細は「シーシャ(水たばこ)とは?」をご覧ください。
法律上の扱いの違い
たばこ税法:シーシャは「加熱式たばこ」ではない
国税庁によると、加熱式たばこは以前、たばこ税法上「パイプたばこ」に区分されていましたが、2018年度の税制改正で「加熱式たばこ」という区分が新たに設けられました(2018年10月1日施行)。
このとき国税庁は、加熱式たばこを「たばこを燃焼させずに加熱して喫煙するもの」と定義したうえで、水パイプで喫煙するためのたばこは除くとしています。シーシャ用のたばこは、加熱式たばこには含まれません。
電子たばこ:ニコチン入りは医薬品の扱い
e-ヘルスネットによると、日本では医薬品医療機器等法(薬機法)により、ニコチンを含むリキッドの販売には許可が必要です。厚生労働省は2010年、ニコチンを含む電子たばこを販売することは、無承認無許可医薬品の販売として薬事法違反が疑われると通知しています。一方、ニコチンを含まない電子たばこは、たばこ事業法のたばこ製品には分類されないとされています。
健康増進法:喫煙室の種類の違い
2020年4月に全面施行された改正健康増進法では、喫煙できる部屋にいくつかの種類があります(厚生労働省)。
- 喫煙専用室:喫煙できるが、飲食はできない
- 加熱式たばこ専用喫煙室:加熱式たばこのみ喫煙でき、飲食などのサービスも提供できる
- 喫煙目的室:喫煙を目的とする施設に設けるもの。主食の提供はできない
どの種類の喫煙室でも、20歳未満の人の立ち入りは禁止されています。客だけでなく従業員も対象です。詳しくは「シーシャは何歳から?」をご覧ください。
シーシャバーで紙巻き・加熱式・電子たばこが吸えるかどうかは「シーシャバーで紙巻き・加熱式・電子たばこは吸える?」で解説しています。
健康リスクの考え方
公的機関は、どの製品についても「安全」とはしていません。
シーシャの依存性や、毎日ではなくても依存が見られた研究、相談先については「シーシャに依存性はある?」で詳しく解説しています。
シーシャ
- 水は煙をろ過しない(CDC)
- 炭から一酸化炭素や金属、発がん性物質が多く発生しうる(CDC)
- 約1時間の一般的なセッションで、紙巻きたばこ1本の100〜200倍にあたる約90,000mlの煙を吸い込み、1本に比べて約9倍の一酸化炭素と約1.7倍のニコチンにさらされる(CDC)
- 吸い口の共有による感染症のリスクもある(CDC)
加熱式たばこ
- 国立がん研究センターは、加熱式たばこの煙にはニコチンや発がん性物質などの有害物質が含まれており、健康への悪影響が懸念されるとしています
- 厚生労働省の資料では、紙巻きたばこと同程度のニコチンを含む製品もあるとされています
- e-ヘルスネットは、病気のリスクがどの程度減るかは明らかでないとし、周囲の人も有害物質にさらされることが報告されているとしています
電子たばこ
- e-ヘルスネットは、ニコチンの有無にかかわらず、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドといった発がん性物質などを発生する製品があると報告されているとしています
- CDC は、多くの電子たばこにはニコチンが含まれ、ニコチンには強い依存性があるとし、電子たばこを含めて安全なたばこ製品はないとしています
比べるときの注意
製品ごとに仕組みや使い方、1回の時間が大きく違うため、「どれが一番安全か」を単純に比べることはできません。シーシャについても、「たばこ◯本分」といった数字は測定条件によって変わります。詳しくは「シーシャは危険?」をご覧ください。
低用量ピルの添付文書などの基準は紙巻きたばこの本数で示されています。シーシャとの関係は「ピル(低用量ピル)とシーシャの関係」へ。
よくある質問
Q. シーシャは加熱式たばこの一種?
A. いいえ。国税庁は、加熱式たばこの定義から水パイプで喫煙するためのたばこを除いています。
Q. シーシャと電子たばこ(VAPE)は同じ?
A. 違います。電子たばこは液体を電気で加熱するもので、シーシャは炭でたばこ(またはその代わりのもの)を熱して、煙を水にくぐらせて吸うものです。
Q. ノンニコチンのシーシャはノンニコチンの電子たばこと同じ?
A. 違います。ノンニコチンのシーシャも炭を使うため、一酸化炭素が発生します(CDC)。詳しくは「ノンニコチン・シーシャとは?」をご覧ください。
まとめ
- 紙巻きは燃やす、加熱式は電気で加熱、電子たばこは液体を加熱、シーシャは炭で熱して水を通す
- たばこ税法上、シーシャ用のたばこは加熱式たばこから除かれている
- 日本ではニコチン入りの電子たばこリキッドの販売には許可が必要
- どの製品も、公的機関は安全とはしていない。シーシャは炭による一酸化炭素に特に注意
- どれも20歳未満は利用できず、喫煙室にも立ち入れない
学芸大学の shisha bar IORI ではこうです
- ニコチンを避けたい方には、ノンニコチンのフレーバーを36種類ご用意しています
- 換気を入念に行い、一酸化炭素チェッカーで定期的に店内の一酸化炭素濃度を点検しています
- 加熱式たばこ・電子たばこは店内でご利用いただけます。紙巻きたばこはテラス席のみです
- ご利用は20歳以上の方に限ります
参考
- 国税庁(平成30年度税制改正 たばこ税関係)
- 財務省(たばこ税の区分)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「電子たばこ」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット ファクトシート「加熱式たばこの規制強化」
- 厚生労働省「加熱式たばこにおける科学的知見」
- 厚生労働省 通知(ニコチンを含有する電子タバコについて、2010年)
- 国立がん研究センター がん情報サービス(たばこについて)
- 厚生労働省「なくそう!望まない受動喫煙」各種喫煙室
- 厚生労働省「なくそう!望まない受動喫煙」改正法のポイント
- Centers for Disease Control and Prevention “Hookahs”
- Centers for Disease Control and Prevention “Health Effects of Vaping”

